「B型に通うことには慣れてきた。そろそろA型を考えてもいいのかもしれない」。そう思いながら、「でも毎日通って、体力や気持ちがもつだろうか」というところで止まっている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
結論からお伝えします。移れるかどうかを気持ちだけで判断しようとすると、答えは出にくくなります。B型に通っている方は、今の通所日数と時間という具体的な数字を持っています。その数字を使えば、勤務量がどれだけ増えるのかを計算で確かめられます。
この記事では、B型からA型へ移ることを考えている方に向けて、勤務量の差の見方、体験での確かめ方、そして受給者証の手続きについてお伝えします。札幌市東区のA型事業所・ToTeTuの場合についても、あわせて触れます。
まず確かめたいのは、B型からA型へ移ることで勤務量がどれだけ増えるか

不安の中身が「なんとなく大変そう」のままだと、判断ができません。まず、増える分を具体的な数字にします。
今の通所日数と時間を書き出す
最初にするのは、今のB型での通所の実際を書き出すことです。
週に何日通っているか。1日あたり何時間いるか。そして、予定していた日に行けなかったことが、直近の3か月でどのくらいあったか。この3つです。
3つ目が特に大事です。予定と実際の差は、体調の波の大きさをそのまま表しています。「週4日通っている」と「週4日の予定で、実際は3日前後」では、意味が変わります。
A型の勤務量との差を引き算で見る
次に、移りたいと考えているA型事業所の勤務条件を確認して、差を計算します。
たとえばToTeTuの場合、勤務は週5~6日、1日4.5時間です。週あたりでは22.5時間から27時間になります。今、週3日・1日4時間で通っているなら週12時間ですから、差は週10時間以上ということになります。
ここまで具体的にすると、「大変そう」だった不安が「週に10時間増える」という形になります。増える分が見えれば、それを支えるために何が必要かも考えられます。通勤にかかる時間、帰宅後に残る体力、睡眠の時間。どれも週単位の数字で見ることができます。
数字で見ると、判断の材料が変わる
気持ちで判断しようとすると、「自分に務まるだろうか」という問いになります。この問いには、やってみる前に答えが出ません。
数字で見ると、問いが変わります。「週に10時間増えた生活が成り立つか」であれば、今の生活を思い浮かべながら考えられます。答えが出ないままの不安と、条件のはっきりした課題とでは、向き合い方が違ってきます。
なお、A型とB型のどちらが自分に合っているかという段階で迷っている場合は、札幌でB型事業所を探しているあなたへ——実はA型が合うケースもありますをご覧ください。一方でこの記事は、A型へ移ることをある程度考えている方に向けた内容です。
B型からA型へ移って体力がもつかどうかは「体験」で確かめられる

計算で見通しを立てたあとは、実際に確かめる方法があります。契約するかどうかを決める前に、試せる段階が用意されています。
見学でわかることと、体験でわかることは違う
見学でわかるのは、事業所の場所や設備、その場の雰囲気です。写真では伝わらない空気を、自分の感覚で確かめられます。
体験でわかるのは、そこで働いたときの自分の状態です。体力がもつかどうかという問いに答えられるのは、見学ではなく体験のほうです。
ToTeTuの体験で確認する3つのこと
ToTeTuでは、体験の前に「どんな作業をやってみたいか」を聞いたうえで、希望に合わせた内容を組みます。
体験で確認していただくのは、主に3つです。自宅からちゃんと通えるか。事業所の雰囲気が自分に合うか。そして、4.5時間働く体力が今の自分にあるか。この3点を確認するよう、ToTeTuの側からご案内しています。
特に、1つ目の「自宅からちゃんと通えるか」について詳しくお伝えします。ToTeTuでは基本9:30~の勤務をお願いしています。そのため、電車やバスの混雑含めて毎日9:30に間に合うように通えるかどうか、自宅からの通勤経路の確認をしていただいています。
B型からの移行を考えている方にとっては、3つ目が最も知りたいところだと思います。1日4.5時間という時間は、今の通所時間と比べてどうか。体験で実際の勤務時間を過ごしてみると、想像と違うことがあります。
合わないと感じたら断れます
体験に行くことは、契約を約束することではありません。
ToTeTuでは、体験後に「合わない」と感じたら断ることができます。今のB型を続けるという判断も、当然できます。体験は、決めるための材料を集める時間です。
なお、B型を利用しながら他の事業所の体験を受けられるかどうかは、支給決定の状況によって変わります。この点は、お住まいの区の区役所保健福祉課や、担当の相談支援事業者に確認してください。
見学の進め方については、「見学で質問できないと印象が悪くなる?」札幌のA型事業所ToTeTuの、ハードルを下げた見学の進め方でお伝えしています。
B型からA型へ移るときの手続き——受給者証はどうなるか

ここは、あまり知られていない部分です。順序が思っているのと逆になることがあります。
B型とA型では、受けるサービスが変わります
就労継続支援B型と就労継続支援A型は、それぞれ別のサービスです。B型の受給者証をそのまま使ってA型に通う、という形にはなりません。A型を利用するための支給決定を、あらためて受けることになります。
受給者証の有効期間や更新の考え方については、A型事業所は何年まで通える?札幌市の受給者証の有効期間と、期限の考え方でお伝えしています。
A型の利用には、採用予定が分かる書類が必要です
ここが順序の話です。
札幌市が公開している資料によると、就労継続支援A型の利用にあたっては、就労継続支援A型事業所に係るアセスメント報告書、採用通知書など採用予定が分かる書類(雇用期間が明記されているもの)、そしてアセスメント票が必要とされています。これらは利用予定者が区役所へ提出し、あわせて担当の相談支援事業者にも提出します。(出典:札幌市「就労系サービスに関する手引き(Q&A集)」令和6年7月)
採用予定が分かる書類が必要ということは、先に事業所とのやりとりが進んでいる必要があるということです。「まず受給者証を取ってから、事業所を探す」という順番を思い浮かべていた方には、意外かもしれません。A型は雇用契約を結ぶ働き方なので、採用の話が先に進みます。
アセスメント報告書は、事業所が作成します
必要な書類のうち、アセスメント報告書とアセスメント票は、サービスを提供する事業所の側が作成します。利用する方が自分で用意するものではありません。
書類の名前を見ると身構えてしまいますが、揃えるのは事業所と区役所と相談支援事業者が関わって進む部分です。一人で書類を作る場面があるわけではありません。
実際の進め方は、区役所と相談支援事業者に確認を
B型からA型へ移る場合の具体的な手順は、今の支給決定の状況や、事業所とのやりとりがどこまで進んでいるかによって変わります。
また、札幌市はサービスによっては支給決定まで2か月程度かかる場合があるとしています。時期の見通しを立てるうえで、早めの相談が役に立ちます。(出典:札幌市「サービス利用の手続き」)
今すでに相談支援事業者とつながっている方は、その担当者に伝えるところから始められます。B型の利用にあたって関わってきた方なので、状況を把握したうえで相談に乗ってもらえます。
札幌市東区のA型事業所・ToTeTuってどんな事業所?

ここからは、札幌市東区のA型事業所・ToTeTuについてお伝えします。
業務内容と勤務の形
ToTeTuは札幌市東区にあるA型事業所です。地下鉄東豊線「東区役所前」駅から徒歩3分の場所にあります。
主力の業務は事務代行・記帳代行です。このほか、動画制作・デザイン、ECサイトでの販売やオークションへの出品、軽作業などの業務があります。外部のクライアントから実際に依頼を受けた仕事に取り組む点が、軽作業を中心とする事業所との違いです。
勤務は週5~6日、1日4.5時間が標準です。短時間から少しずつ増やしていく形ではありません。B型からの移行を考える場合、この点は事前に確認しておきたいところです。
体調がすぐれない日の扱い
決まった勤務日に出勤するのが前提とはいえ、体調が悪い日に絶対に休めないという意味ではありません。
実際に調子がすぐれない朝をどう扱うかについては、「今日は無理かも」と思った朝、どうすればいい?札幌・就労継続支援A型ToTeTuの、休みの取り方と1日の過ごし方でお伝えしています。移る前に読んでおくと、働き始めたあとの見通しが立てやすくなります。
収入の見通し
A型は雇用契約を結ぶため、B型の工賃とは仕組みが変わります。生活の見通しを立てるうえで、ここも確認しておきたい部分です。
給料がどう決まるかについては、札幌のA型事業所の給料はどう決まる?仕組みと確認のポイントで解説しています。
B型からA型へのステップアップ!札幌のA型事業所・ToTeTuではじめよう

この記事でお伝えしてきたことをまとめます。
B型からA型へ移れるかどうかを気持ちだけで判断しようとすると、答えが出ません。今の通所日数と時間を書き出して、移りたい事業所の勤務条件と引き算をすると、増える分が数字で見えます。
体力がもつかどうかは、体験で確かめられます。ToTeTuの体験では、通えるか、雰囲気が合うか、4.5時間働く体力があるかの3点を確認していただいています。合わないと感じたら断ることができます。
手続きの面では、A型の利用にあたって採用予定が分かる書類が必要になるため、事業所とのやりとりが先に進む形になります。書類の作成には事業所と相談支援事業者が関わります。具体的な進め方は、区役所保健福祉課と担当の相談支援事業者にご確認ください。
制度の内容は改定されることがあります。最新の情報は、札幌市の公式ページやお住まいの区の区役所保健福祉課でご確認ください。
ToTeTuの見学は、パンフレットをもとにした説明のあと、事業所の中をご覧いただく流れです。質問が思いつかなくても問題ありません。お問い合わせは、電話(011-788-6567/平日10時〜17時)のほか、ホームページのお問い合わせフォームからも受け付けています。「見学予約まではまだ気持ちが行かないけれど、まずは電話で話を聞いてみたい」という方のお問い合わせもお待ちしています。