結論を3行で
1. A型事業所の受給者証は、採用が決まってから申請する順番になります。
2. そのため、見学・体験・面接の段階では受給者証は必要ありません。
3. 申請に使う書類の一部は事業所が作成するため、すべてを一人でそろえるわけではありません。
「受給者証を取ってからでないと、事業所には行けないと思っていた」
「申請の書類を、一人でそろえられる自信がない」
A型事業所で働きたいと考えたとき、受給者証という言葉が出てきて手が止まる方がいます。制度の手続きは説明が長く、どこから読めばいいのか分かりにくいためです。
この記事では、札幌市が公開している資料をもとに、A型事業所を利用するまでの受給者証の申請について、順番と書類の2点に絞ってお伝えします。札幌市東区のA型事業所ToTeTuで働くことを検討している方が、次に何をすればよいか分かる状態になることを目指しています。
札幌でA型事業所を利用するには受給者証が必要です

まず、受給者証がどの段階で必要になるのかをお伝えします。ここを取り違えると、動き出す順番が変わってしまいます。
受給者証は、障害福祉サービスを利用するための証明です
就労継続支援A型は、障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービスの一つです。このサービスを利用するには、お住まいの市町村から支給決定を受け、障害福祉サービス受給者証の交付を受ける必要があります。
札幌市の場合、受給者証を事業者に提示して契約を結ぶことで、サービスの利用が始まります(出典:札幌市「サービス利用の手続き」)。
見学・体験・面接の段階では、受給者証は必要ありません
受給者証が必要になるのは、実際にサービスの利用を始める段階です。事業所を見に行く段階では必要ありません。
札幌のA型事業所・ToTeTuでも、受給者証を取得していない段階での見学・体験をお受けしています。「まず申請を済ませてから連絡しなければ」と考える必要はありません。
ToTeTuの場合、見学の申し込みは、相談室経由でも、支援機関経由でも、ご本人から直接でも構いません。申し込みの経路については、A型事業所の見学は自分で申し込んでもいい?——支援員に相談する前に動きたい方へで詳しくお伝えしています。
A型は「採用が決まってから申請」という順番になります
ここがA型事業所の特徴です。
札幌市が事業者向けに公開している「就労系サービスに関する手引き(Q&A集)」では、就労継続支援A型を利用するために区役所へ提出する書類として、「採用通知書等の採用予定の分かる書類(雇用期間が明記されていること)」が挙げられています(出典:札幌市「就労系サービスに関する手引き(Q&A集)」令和6年7月)。
つまり、申請の時点で「この事業所に採用される予定である」ことを示す必要があります。順番としては、見学と体験を経て、面接を受け、採用が決まってから申請へ進むことになります。
A型事業所は雇用契約を結んで働く場所です。雇用が前提にあるため、手続きの順番もこの形になっています。
札幌市でA型事業所の利用に必要な受給者証を申請するときの流れ

次に、申請そのものの流れを見ていきます。札幌市の案内をもとにお伝えします。
申請の窓口は、お住まいの区の区役所保健福祉課です
札幌市では、お住まいの区の区役所保健福祉課の窓口に申請書を提出します。申請書は札幌市のページからダウンロードできます。
持っていくものとして、札幌市の案内には「個人番号の分かる書類のほか、障がい者手帳などの身元確認書類が必要となります」と記載されています。希望するサービスの内容によっては、別途証明書や同意書が必要になる場合や、医師の診断書が必要となる場合もあるとされています(出典:札幌市「サービス利用の手続き」)。
ご自身の場合に何が必要になるかは、区役所の窓口で確認するのが確実です。
申請から受給者証の交付までの順番
札幌市の案内によると、手続きは次の順に進みます。
区役所保健福祉課へ申請書を提出する。利用計画案の作成を依頼する、または自分で作成する。区役所の調査員が心身の状況などについて調査を行う。心身の状況や利用計画案を勘案して支給決定が行われる。支給決定後に受給者証が交付される。受給者証を事業者に提示して契約を結ぶ。
この流れの全体像と、受給者証の有効期間や更新については、A型事業所は何年まで通える?札幌市の受給者証の有効期間と、期限の考え方で詳しくお伝えしています。
札幌のA型事業所・ToTeTuの場合、初出勤日に何をするのかについては、
A型事業所の初日は何をする?——札幌・ToTeTuの契約当日の流れと、最初の1週間
の記事で詳しくお伝えしています。
札幌市は「支給決定までに2ヶ月程度かかる場合がある」としていますが…
期間の見通しについても、札幌市が案内を出しています。
札幌市のページには「サービスによっては、支給決定までに2ヶ月程度かかりますので、お早めに手続きしてください」と記載されています(出典:札幌市「サービス利用の手続き」)。
しかし、A型事業所の場合実際は2ヶ月はかからず、区役所へ申請していただいてからセルフプランでも一週間~10日で受給者証は出来上がります。また相談室と相談しながらという場合はもう少し早いこともあります。
札幌でのA型の申請では、事業所が用意する書類があります

ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。申請の書類は、すべてを本人がそろえるわけではありません。
事業者が作成する「アセスメント報告書」があります
札幌市の「就労系サービスに関する手引き(Q&A集)」には、就労継続支援A型について、暫定支給決定を経ない場合の取扱いが定められています。
この場合、事業者は「就労継続支援A型事業所に係るアセスメント報告書」と、採用予定を示す書類、アセスメント票を作成し、利用予定者に交付するとされています(出典:札幌市「就労系サービスに関する手引き(Q&A集)」令和6年7月)。
アセスメントという言葉は、ここでは「その方がA型で働くことについての事業所側の確認と記録」を指します。この書類を本人が自分で作ることはありません。
採用予定を示す書類も、事業所から受け取ります
先ほど触れた「採用通知書等の採用予定の分かる書類」も、事業所から受け取るものです。雇用期間が明記されていることが求められています。
これらの書類は、区役所への提出だけでなく、計画相談支援を提供する指定特定相談支援事業者にも提出するとされています。
手続きを一人で抱える必要はありません
ここまでを整理すると、A型の受給者証の申請には、本人が用意するもの、事業所が作成するもの、相談支援事業者が関わるものが混ざっています。
「申請の書類を全部そろえられる気がしない」と感じて動けなくなっている方は、そもそも全部を一人でそろえる手続きではない、という点を知っておいてください。分からない部分は、区役所の窓口で確認しながら進められます。
札幌のA型事業所の利用に必要なサービス等利用計画案は、依頼するか自分で作るかを選べます

申請の流れの中で、説明が分かりにくいのが利用計画案です。ここにも選択肢があります。
相談支援事業者に依頼する方法
申請すると、区役所から計画案の作成を依頼するための書類を受け取ります。これを相談支援事業者に提示し、契約を結んで作成を依頼するのが一つの方法です。
すでに相談支援専門員とつながっている方は、この方法が進めやすくなります。
自分で作成する方法もあります
札幌市の案内には、利用計画案について「ご自身で作成することもできます」と記載されています(出典:札幌市「サービス利用の手続き」)。
相談支援専門員とまだつながっていないことが、そのまま申請できない理由になるわけではありません。どちらの方法が自分に合うかは、区役所の窓口で相談できます。
相談員と連絡がつかず、手続きが進まないとき
担当の相談員となかなか連絡がつかず、手続きが止まってしまうことがあります。
その間も、事業所の見学や体験は進められます。見学は受給者証や計画案とは切り離された行動なので、待っている時間を使って事業所を見ておくことができます。
相談員と連絡がつかないまま待ち続けなくてよい理由については、A型事業所の見学は自分で申し込んでもいい?——支援員に相談する前に動きたい方へでお伝えしています。
受給者証の手続きの期間を見込んで動くにはどうすれば良いでしょうか

ここまでの内容を踏まえて、実際どう動けば良いかについてお伝えしていきます。
見学と体験は、申請を待たずに済ませておけます
申請から支給決定まで何もしないで待っているよりは、先に事業所を見ておく方が全体の見通しが立ちます。
ToTeTuの見学は30分程度です。服装や持ち物の指定はありません。見学の当日の流れについては、A型事業所の見学前に確認しておきたいこと——札幌・ToTeTuへの行き方と当日の流れで整理しています。
分からないことは区役所保健福祉課で確認できます
制度の手続きについては、お住まいの区の区役所保健福祉課が窓口です。必要書類も、ご自身の状況によって変わります。
インターネット上の情報だけで判断せず、窓口で確認するほうが確実です。市町村によって運用が異なる部分もあります。
制度の内容は改定されることがあります
この記事は、札幌市が公開している資料をもとに書いています。制度の内容や様式は改定されることがあります。
最新の情報は、札幌市の公式ページと区役所の窓口でご確認ください。
A型事業所の受給者証に関するよくある質問
Q1. 受給者証がないと、見学もできませんか?
いいえ。ToTeTuでは、受給者証を取得していない段階での見学・体験をお受けしています。申請を済ませてからご連絡いただく必要はありません。見学の申し込み方については、A型事業所の見学は自分で申し込んでもいい?——支援員に相談する前に動きたい方へをご覧ください。
Q2. 障害者手帳がないと申請できませんか?
札幌市の案内では、申請の際に個人番号の分かる書類のほか、障がい者手帳などの身元確認書類が必要とされています。手帳をお持ちでない場合に何を用意すればよいかは、お住まいの区の区役所保健福祉課でご確認ください。手帳がない状態でのA型事業所の利用については、障害者手帳がなくてもA型事業所は使える?精神科受診中・診断待ちの方向けに札幌・ToTeTuが解説でお伝えしています。
Q3. 申請の手続きは、全部一人でやるのですか?
いいえ。札幌市の手引きでは、アセスメント報告書や採用予定を示す書類は事業者が作成するとされています。また、利用計画案は相談支援事業者に依頼することもできます。
Q4. 申請してから、どのくらいで働き始められますか?
札幌市の案内では、サービスによっては支給決定までに2ヶ月程度かかる場合があるとされていますが、実際はそんなにかからないという見方もあります。実際の期間はご自身の状況によって変わりますので、申請の際に区役所の窓口でご確認ください。
Q5. 受給者証には期限がありますか?
受給者証には有効期間があり、期間が来たら更新の手続きに入ります。札幌市におけるA型の有効期間と更新については、A型事業所は何年まで通える?札幌市の受給者証の有効期間と、期限の考え方で詳しくお伝えしています。
受給者証の申請を待たずに、まず札幌のA型事業所の見学から始められます

A型事業所の受給者証は、採用が決まってから申請する順番になります。札幌市の手引きで、区役所へ提出する書類に採用予定を示すものが挙げられているためです。したがって、見学・体験・面接の段階では受給者証は必要ありません。
申請の窓口は、お住まいの区の区役所保健福祉課です。申請の書類には、本人が用意するもののほかに、事業者が作成するアセスメント報告書や採用予定を示す書類が含まれます。すべてを一人でそろえる手続きではありません。
A型事業所と就労移行支援のどちらが合うか迷っている方は、A型事業所と就労移行支援の違いとは?自分に合った選び方を札幌・ToTeTuが解説もあわせてご覧ください。
ToTeTuは、地下鉄東豊線「東区役所前駅」から徒歩3分の場所にあるA型事業所です。事務代行・記帳代行を中心に、外部から依頼を受けた実際の業務を担当します。見学のお申し込みは、電話(011-788-6567、平日10〜17時)またはお問い合わせフォームからお待ちしています。ToTeTuではいつでも見学申し込みを受け付けています。
手続きの全体像が見えないまま調べ続けるより、一度事業所を見てから考える方が、判断の材料はそろいます。